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鶴田 純久の章 お話

名物。国焼茶入、備前焼、清水道閑手づくり。銘は隆弁の歌による。筒形姥口、半面栗皮色、半面青葉色の胡麻釉の片身替りで、黄釉のなだれが肩先から裾に至って止まる。道閑手捏ねの大佗びの作行がおもしろい。添巻物の示すところによればこの茶入は清水道閑が伏見の小堀遠州邸で自らつくったもので、遠州が陶工につくらせたものと共備前窯に送ったが、皆焼き上がって戻って来たの道閑手づくりの茶入だけは行方がわからなかった。年を経たのちに京都東山の道具屋の店頭で道閑が見出し、奇縁を喜び買い求めて遠州に示したところ、遠州は隆弁の歌の意をとって鏡山と銘を付けたという。宝永(1704~11)初年万屋勘左衛門のもとにあった。1724年(享保九)三谷宗鎮が金二十枚で安芸侯に納め、以来浅野家に伝来。(『大正名器鑑』)

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