Large vase with flower-and-bird design, enamelled ware
Height 40.0cm Umezawa Kinen-kan Museum
高さ40.0cm 口径7.7cm 胴径20.1cm 底径12.8cm
梅沢記念館
豊かなふくらみをもつ瓢形の大瓶で、しだいに開いた頸部はやや太く、口縁を鋭く捻り返しています。乳白手素地の代表作に数えられていますが、釉膚に細かい貫入があらわれています。胴のくびれから上部には牡丹と唐花を交互に唐草風にあらわし、下部には二羽の鳥の宿る太湖石を中心に、左右に枝をのばした牡丹文を配し、裏面には小振りの岩と草花文を描いています。花鳥文の構成は、菊と牡丹の違いはありますが、図3の壺とほぼ同様であります。しかし、太湖石や牡丹の枝葉の表現はやや堅く、しかも葉先の表現に細やかさがうかがわれる。上部の唐花の文様が延宝五年建立の西本願寺経蔵に用いられた陶板 (タイル) の縁文様と類似していますので、やはり延宝の頃、1670年代の作でしょう。かつてヨーロッパに輸出され、近年日本に帰ってきたものであります。他に一点、日本伝世の同形の作例が現存していますらしいが、筆者は見ていない。