焼き物と聞いてまず思い浮かぶのは有田(ありた)焼、瀬戸焼、清水焼などでしょう。歴史的にも1616年、李参平が有田で窯を開いたのが我が国の磁器の始まりとされています。
では、2番目はどこでしょう。それは瀬戸でも清水でもなく、天草なのです。
このことは焼き物の”通説”に反することであったらしく相当な物議をかもしました。
しかし、最近の調査で江戸初期の1650年頃、陶磁器の製造が行われていたことが史料からも裏付けられました。
天草に産出する世界的な陶磁器原料の天草陶石。その陶石を砕きその粉を練り合わせ焼いた物が磁器です。
砕きやすく形成可能な上、単独で焼き物になります。
高い強度で製品は硬く、仕上がりの色は濁りがなくて美しいのが特徴です。
,こうした高品位の陶石の発見は、17世紀中頃(ごろ)から18世紀初頭のことと言われています。
1762年には、高浜焼が焼かれ、その製品は海外輸出されました。
71年には時の平賀源内に輸出振興に役立つ「天下無双品」と言わしめました。
年間の出荷量は3万トン(2003年度)で、全国の陶石生産量の8割を占めています。
陶石(とうせき),
磁器原料になる石。熱水作用によって石英粗面岩のなかの長石などが粘土化。同時に鉄化合物が洗い流されたもの。石英と絹雲母によって構成されています。