Parian 磁器 パーリアンじき

marusankakusikaku
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鶴田 純久の章 お話

透光性の極めて大きな長石質の軟磁器で、古代ギリシアとローマの彫刻材の大理石を産出したパロス島からきている。素地は表面が曇った状態の浮彫刻のもの・ボタン・陶歯などと、表面が光沢をもった彫像・食器などの二種がある。後者は素地の長石が溶けて表面に出て施釉されたようになったもので、これを自釉磁器(セルフグレイジング)という。古い一部のパーリアン素地は長石・カオリン・ガラスからできている。今日のパーリアン磁器は長石九〇パーセント以上とカオリン三~五パーセントの混合物から、長石が少なくとも七五パーセント以上と各種のフリットまたは熔剤を加えた素地になっている。一〇~一五時間で焼成し、食器や彫像のある種のものには硼珪酸鉛釉を掛ける。ガラス相の極めて多量に生成される素地で焼成が困難であり、絶えず窯内の温度をのぞいて表面が希望する状態になった時に急激に窯内温度を摂氏五〇〇~六〇〇度に落としてから徐冷してゆくか、あるいは取り出して低温の窯に移してから冷却する。(『工芸用陶磁器』)

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