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鶴田 純久の章 お話
須恵器 台付三連
須恵器 台付三連

Sue ware: three clustered hasō on tall foot.Excavated from Futamata No. 1 Tumulus, Kami Ishizu-mura, Gifu. 6th century. Height 19.4cm.
岐阜県養老郡上石津村二又1号墳出土
6世紀
高さ19.4cm 口径9.5~10.5cm 底径10.5cm
名古屋大学文学部考古学研究室
 二又1号墳は当地方最古の横穴式石室墳で、墳丘の直径15m、石室の全長6.5mの小円墳です。石室の内壁面に朱が塗られており、装身具・武器・馬具土師器・須恵器など多数の遺物が出ています。
 本器は実用品と同じ大きさの三個を胴で接合し、台脚をつけた珍しい装飾須恵器です。のつくりも胴に孔のあるのは一個のみですが、成形はまったく実用品と変わりません。台脚は中央に二重沈線を配し、三角形および梯形の透かしを二段に千鳥状に穿っています。やや鉄分の多い土を用い、焼成はきわめて堅緻で、口頸内面および肩に濃緑の自然釉がかかって、力感に溢れています。いうまでもなく明器としてつくられたものです。やや長く伸びた太い口頸部をもったの形や台脚の千鳥透かしの形状からみて、6世紀初めごろの作であることが知られます。装飾須恵器の優品の一つに数えることができましょう。

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