鶴田 純久
鶴田 純久

Sue ware: house-shaped hasōExcavated at Musodani, Wakayama-shi, Wakayama. 6th century. Height 16.8cm. Tokyo National Museum.
和歌山市六十谷出土
6世紀
総高16.8cm 口径7.6cm 棟長 15.0cm 屋根幅10.2cm
東京国立博物館
 切妻造の家を模した形象須恵器の一種です。屋根は棟が軒より長く、妻に転びをもっていて、これに細い破風板がつけられています。
 家の四壁はやや下すぼまりで、妻の中央に棟持柱が表わされています。
 また四壁には、平らな部分に二段に複線鋸歯文を、妻の部分には一段の複線鋸歯文を挟んで、上下に沈線を界して綾杉文が施されていあります。一方の屋根につけられた口頭と反対側の壁面右上隅に穿たれた小円孔から、この器物が𤭯を意識してつくられたものであることが知られます。家は四本の高い脚がつけられていて、おそらく高床の倉庫を模したものでしょう。このような家形土器は百済に類品があり、それを写したものと思われますが、百済のそれは口頸部が屋蓋の中央にある点が異なっています。このような一個の器物を変形してつくられる形象須恵器はほとんど瓶類に限られますが、本器はその最も早い一例です。焼成はきわめて堅緻で、黒褐色の器肌に黄緑色の自然釉がかかっています。

前に戻る
Facebook
Twitter
Email