Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話
色絵結文香合
色絵結文香合

Ninsei: incense caddy in the shpape of a folded and tied letter,enamelled wareLength 17.3cm Yuki Museum of Art
高さ1.7cm 長径17.3cm
湯木美術館
 結文あるいは玉章と呼ばれている香合で、仁清は好んでこの香合を作っている。身、蓋共にほぼ同様の厚さで、身の香を入れる部分を浅く彫って周囲に立ち上りをつけ、蓋は立ち上りのあたる部分を彫ってくぼませている。底を除いた全面に白濁色の釉がかかっていて釉膚はまことにやわらかく滑らかに焼き上がっている。蓋から身にかけてまわした鹿の子文様の帯には、赤と青に金を加えていかにも優美であり、香を入れる部分と蓋裏には緑の上絵具をかけ、上に金泥で籠目文様を描いている。白く細かい土が用いられ、底の一部に赤い焦げが生じ、無印ではあるが、釉膚、土味ともに仁清作にちがいない作品である。「御香合 仁清」と書付した箱に収まり、書付は金森宗和筆と伝えられている。

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