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鶴田 純久の章 お話
渥美 遠清銘壺
渥美 遠清銘壺

Atsumi ware: jar with incised inscription including the name Tōkiyo. 12th century. Height 49.5cm. Aichi Prefectural Ceramic Museum.
12世紀
高さ49.5cm 口径20.6cm 胴径48.8cm 底径22.0cm
愛知県陶磁資料館
 胴のふくらみのつよい大形の短頸壺で、形からみて12世紀代の作とみて間違いありません。素地は渥美特有の砂質に富んだもので、紐輪積成形です。焼成火度は低く、生焼けに近い赤褐色を呈します。肩に太い箟描きで「従五位下惟朝臣 藤原氏 惟宗氏 内蔵氏 惟宗氏尊霊 惟宗尊霊 藤原氏尊霊 道宗氏尊霊」 と彫りつけています。これと同様な銘文をもった壺が古く静岡県錦田村の経塚から出土しており、両者とも渥美半島中央部の大アラコ古窯で焼かれたものと考えられます。同窯から両者に共通する銘文を彫った陶片が多数出土しています。

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