Ninsei: tea bowl with shippo (interlocking circles) design, enamelledwareMouth diameter 11.7~12.7cm
高さ8.3cm 口径11.7~12.7cm 高台径4.5cm
姿や文様は異なるが、施釉や上絵の技術は図22とほぼ同様の茶碗である。地釉は長石の多い独特の白い釉で、内外に黒釉をかけ、外側口近くには銀の帯を上絵でめぐらし、胴の中央と裾には白釉地に上絵で七宝文と蓮弁文八つを配している。いうまでもなく、仁清以前の日本の陶器には見られなかった、彼の独創ともいえる技術を駆使し、その意匠もまさに仁清様というべきものである。
仁清はまことに轆轤がうまい。形を品よくまとめる「間」の取り方は抜群であり、ゆったりと椀形に水挽きした後、腰の面を取って茶碗の姿を引き締めるとともに、瀟洒なものにまとめている。土見せの高台はやや低く、高台内側は斜めに削り込み、高台内中央には小さく兜巾が立ち、左側中央に 「仁清」の小印を捺している。
かつて三井家に伝来したもので、内箱蓋表に金森宗和らしい筆蹟で「花輪違 茶碗」 と書き付けている。