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鶴田 純久の章 お話
色絵輪宝羯摩文香炉
色絵輪宝羯摩文香炉

Ninsei: incense burner with design of Buddhist ritual objects, enamelledwareHeight 12.3cm Manno Art Museum, OsakaRegistered as important Cultural Property
高さ12.3cm 口径15.7~16.5cm 底径9.9cm
重要文化財
萬野美術館
 見せの底に「奉寄進播磨入道仁清作 明暦三年卯月」と刻銘され、仁清の作品のなかではもっとも重要な資料の一つである。仁清の色絵がいつ頃から始まったかは判然としないが、この香炉によって明暦三年にはすでに完成していたことがうかがわれる。口の広い酒海壺の蓋をとったような姿の香炉で、口まわりから外側胴裾にかけて白濁色の釉が滑らかにかかり、胴の六方に輪宝と羯摩の文様を交互に配している。これとまったく同形、同銘文の香炉が藤田美術館に蔵されている。藤田美術館の作品は、もと京都大原野の安養寺にあったもので、収まった箱の蓋裏に 「仁清奉納香炉之記井付属証、同氏者当院檀那若年之本尊工業上達之致祈願 満願之後当寺及本山御室宮 槇尾三所=奉納之 然ルニ天保十二年丑年八月為大風諸字及大破于時同国大山崎荘前田氏当寺ニ格別之由緒有之依旧功積営繕悉皆成就ス 本山之御許上其功依付属者也 天保十四年発卯年三日月 山城国乙訓郡大原野安養寺 現主実玄 (花押)」 と記されている。したがってこの香炉は、御室仁和寺と槇尾山に寄進された二口のうちの一つであったと思われる。

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