中興名物。真中古茶入、柳藤四郎本歌。柳手の茶入なので、西行法師の「道の辺に清水流るる柳蔭しばしとてこそ立ちどまりつれ」の歌に因んで銘じました。丈がやや低い肩衝茶入で、景色の変化がおもしろく、ことに黄釉模様が一段と見事で見所が多いようです。寛保(1741-44)頃までは松平陸奥守所持、のち本多伊予守を経て文政(1818-30)初年島津侯に大り、以来同家に伝来。(『名物記』『古今名物類聚』『麟鳳亀龍』『大正名器鑑』)