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鶴田 純久の章 お話
灰釉 花文浄瓶
灰釉 花文浄瓶

Ash glaze pottery: holy water pitcher with froral design. Excavated at Araku site, Ichihara-shi, Chiba. 10th century. Height 31.3cm. Ichihara MunicipalEducational Commission.
千葉県市原市荒久遺跡出土
10世紀
高さ31.3cm
 胴径11.6cm 底径7.7cm 市原市教育委員会浄瓶は水瓶などとともに奈良・平安時代の主要な仏器の一つであり 佐波理彩釉陶器 灰釉陶器などさまざまの材質のものがあります。
 奈良時代末から平安時代にかけて、猿投窯において灰釉を施した浄瓶が数多く生産されており、畿内をはじめ、各地の寺院に供給されています。この浄瓶は上総国分寺の付属集落と考えられる荒久遺跡のうち、もっとも大きな住居跡から発見されたものです。素地は白色緻密な陶土を用いており、見事な轆轤成形を示しています。口頸部の基部を中心に、肩にかけて箟で宝相華文を描き、胴には瑞雲文を四方に段違いに配しています。惜しくも肩の注口上半部および高台を欠いていますが、猿投窯産灰釉浄瓶のうちではもっとも美麗なものです。

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