鉄釉青磁染付群鷺文三脚皿

鉄釉青磁染付群鷺文三脚皿
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話

高さ6.8㎝ 口径22.1㎝ 底径8.2㎝
 口部を八弁輪花にし、底の三方に鬼面獣足をつけた皿であるが、他に例を見ない繁雑な加飾の作例であり、明らかに特製品であったと思われる。
見込円窓内には十羽の白鷺を巧みに配し、回りには蓮池の模様を浮彫りし、青海波の地文をやはり浮文様であらわしている。
いずれもレリーフしたもので、型物にはない自由な表現がおもしろい。
しかも、円窓内の青海波地文には瑠璃釉をかけ、蓮の葉には青磁釉、蓮の花や蕾、繩状の円窓などには濃く、蓮池の波文様には薄く鉄釉を塗り、白抜きの鷺と流水には透明釉をかけ分けるなど、この時代の作品としては技巧の限りをつくしている。
裏面には八個の丁子風の文様を鉄絵で配し、その上に薄く鉄釉を刷毛ではいている。
どこで焼かれたか判然としないが、蛇口風の高台に見る地膚は百間窯のそれに近いようである。

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