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鶴田 純久の章 お話
美濃須衛 四耳壺
美濃須衛 四耳壺

Mino Sue ware: jar with four handles. 13th century. Height 25.3cm. Aichi Prefectural Ceramic Museum.
13世紀
高さ25.3cm 口径11.4cm 胴径20.1cm 底径7.7cm
愛知県陶磁資料館
 淡褐色の粗い素地をもった本器のような無釉の四耳壺が従来いくつか知られており、窯が不明のまま、古瀬戸のなかに含めて扱われてきました。最近になって各務原市の美濃須衛古窯跡群のうちにこのような四耳壺を焼いた古窯跡が一基 (須衛14号窯) 発見され、その産地が明らかとなりました。窯は須恵器窯の最も密集した稲田山の後背丘陵の標高150mに近い高所にあり、四耳壺のほか、山茶碗・大平鉢・洗・瓶子・入子・水注など古瀬戸とまったく同様な器種を焼いています。
 この四耳壺は粗い土のため器壁がきわめて厚く、肩の張った、胴のふくらみの強い形で高台が一様に小さいのが特徴です。肩に一箇所大の窯印を入れています。焼き上がりは良く、淡褐色の器肌に口頸部から肩にかけて黄緑色の自然釉がかかっており、従来知られているこの系統の四耳壺のなかでは最も優れたものです。

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