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鶴田 純久の章 お話
備前 四耳壺
備前 四耳壺

Bizen ware: jar with four handles. Dated Bummei 12 (1480). Height 40.5cm.
文明十二年(1480) 銘
高さ40.5cm 口径14.4cm 胴径34.4cm 底径18.5cm
 口頸部がやや外開きになっているのは強い火度のため焼割れを生じて拡がったためでしょう。この時期の口頸部は一般に直立し、玉縁は退化してやや扁平になる傾向を示します。肩が張って胴下半が細くしまってくるのもこの時期の特色です。紐土を幅4cmに押し拡げて巻き上げによって成形し、器面は俺を用いて早い轆轤回転で調整しています。胴下半に備前国伊部村小幡山長法寺谷之坊教舜之也文明十二年卯月廿四日と四行に銘文が刻まれています。非常によく焼き締められて茶褐色を呈し、肩にかかった暗緑色の自然釉が胴下半にまで流下し、尖端に釉が溜り玉状に盛り上がっています。室町中期の優品の一つです。

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