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鶴田 純久の章 お話
備前 擂鉢
備前 擂鉢

Bizen ware: mortar. 15th century. Diameter 29.8 cm.
15世紀
高さ10.0cm 口径29.8cm 底径13.2cm
 鍔のある幅広い縁帯は備前擂鉢の特有の形態です。鎌倉末ごろから広くなり始めた縁帯はやがて器壁の厚みを超えて垂直に立ち上がるようになり、外に溢れた部分は下に垂れ下がるか鍔状に外へ突き出されるかの二様の姿をとりました。素地は小石を多く含んだ鉄分の多い土で、よく焼き締まって黒褐色を呈しています。このころから黒褐色のものが多くなるのは、山土のみでなく田土を混ぜ始めたからでしょう。外面に石灰質の付着物が全面にみられるのは海中に長くあったことを示すもので、搬出に際して取り落としたものでしょうか。俗に「海揚がり」と称するものの一つです。

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