Peacock-shaped incense caddy, enamelled ware
Height 7.9cm
Tokyo National Museum
高さ7.9cm 長径5.0cm
東京国立博物館
貫入のある淡褐色の地釉の上に、緑と青と金彩の上絵具で彩色したこの香合は、いわゆる古清水の小品としては稀な秀作です。ほとんど余白を残さずに緑と青で彩色した趣はいわゆる交趾焼に通じあるものがあり、尾羽を開いた孔雀の姿には、鳥獣や有職故実に因んだモチーフを香炉や香合に見事に意匠化した御室仁清の影響がうかがわれます。赤を用いず、青と緑と金彩で上絵付するのがこの種の古清水上絵付の常法であり、青と緑の上絵具は厚くかかり、透明度のある深い鮮やかな色調に焼き上がっています。合口と平らな底は露胎で、底は無印です。