Mokubei: set of teacups with design of marine products, enamelled ware
Mouth diameter 6.7cm each
高さ4.7cm 口径6.7cm 高台径3.2cm
うすだみオランダのデルフトあたりで焼かれた軟陶を倣った、いわゆるオランダ写しで、木米作煎茶碗のなかでも珍器というべきものでしょう。一般に見る素直な椀形の煎茶碗ですが、貫入の生じたやわらかい質感の白釉をかけ、内面は無地、外側に魚、海老、蟹 貝などと水草の文様を赤の線描と薄濃の上絵付であらわしています。筆行きは木米独特の繊細な筆触であが、余白を十分に生かしたのどかな気分の文様構成がいかにも面白く、愛すべきものがあります。深く削り込まれた高い高台内に 「木造」 と、同じく赤で書しています。五客揃って共箱に納まり、蓋表には 「倣礬知茶鍾 鷗雨雅伯嘱也 米造」と書き付けていますが、木米の理解者の一人であった岩崎鷗雨のために作ったものです。