黒茶碗 銘としわすれ 長入

黒茶碗 銘としわすれ 長入
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鶴田 純久の章 お話
黒茶碗 銘としわすれ 長入
黒茶碗 銘としわすれ 長入

Chōnyu (Raku VII, 1714-70): tea bowl, known as “Toshi-wasure”, Black Raku
Mouth diameter 10.5 10.7cm
高さ8.2cm 口径10.5~10.7cm 高台径 4.8cm
 内箱蓋裏に「長入作黒茶碗 としわすれ (花押)」と今日庵の石翁不見斎が書き付けています。長入は明和七年に五十七歳で歿していありますので、享和元年五十八歳で残した不見斎の青年期に活躍していことになります。
 長次郎焼の茶碗を基調にした作行きで、口部を内に抱え込ませ、胴の下部を少し引き締め、高台は小振りに低くくっきりと円形に作高台内に巴の兜巾を削り出しています。胴裾から高台まわりに浅く目をつけ、見込中央に小さく茶溜りを削り込み、高台畳付に目跡が三つ残っています。総体にかかった釉は厚く、よく溶けていて、長入黒茶碗のなかでも優作の一つに数えられます。

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