色絵唐花文八角大壺

色絵唐花文八角大壺
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話
色絵唐花文八角大壺
色絵唐花文八角大壺

高さ49.l㎝ 口径17.4㎝ 底径17.0㎝
 八角の堂々とした大壺で、当初は鉦のついた蓋をともなっていたものであろう。
この種の色絵大壺のなかでは古格を示すもので、おそらく1670年代、寛文末から延宝頃の作と推測されている。
 口部から胴裾にかけて八面体とし、竹節状の高台は円形である。
古伊万里の沈香壺形式の壺は、多くは高台を竹節状にしているのが特色で、中国のそれは竹節状に作られていないのが通例とされている。
白磁の膚が乳白手風に焼き上がっているのも、この種の壺としては珍しく、胴下部には荒く貫入が生じている。
頸には八弁の花文を八方に配して唐草風に繋ぎ、肩は格狭間風の窓内に「真」と「寿」の隷書体の文字を交互に白抜きであらわし、胴には二方に大きな唐花文を配し、側面には頸部と同様に八弁の花文を唐草風にあらわしているが、このような構図の大壺はかつて見たことがなく、また赤緑を主調にした上絵の発色がまことに鮮麗である。
「真寿」の文字を配した古伊万里型物手の鉢も見ているが、何か特別の意味をもった注文品であったのであろうか。

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