重文。
「玉柏」(369~頁下)と同手。
ただ「玉柏」の寸胴形に対し、これは 胴径:が大きく、火襷は濃く少し紫色を帯びます。
また口造りはやや姥口状をなし安定感に富みます。
素地土ねっとりとして白く、火襷は絢爛ともいえる鮮やかさ、形は強火度のためにいくらか前かがみ、口縁一部に山はあっても品位の高い逸品水指といえます。
なお古備前の窯変の特色には、この火襷のほかに青ごま・黄ごま・榎肌などがあり、また別に遠州時代といわれる伊部手があります。
これははじめから素地土に塗り土をして、釉照りをねらったものです。
【寸法】 高さ:13.5 口径:9.8~12.6 胴径:15.0~16.3 底径:10.3~10.5
【所蔵】 畠山記念館