Bizen notch・shaped water jar with two handles
通蓋高19.7cm 身高18.5cm 口径16.8cm 左右22.0cm 底径17.2cm
伝世の水指のなかでは最も変化に富んだ景色に焼成され、作振りは肩と裾に段をつけ、全体やや小振りに成形されています。口は開きぎみに低く立ち上がらせて矢筈口風に作り、左右についた耳には縦に二本切込をつけています。おそらく当初からのものと思われる薄作りの蓋がついていますが、窯変の景は蓋にいたるまでまことに鮮かでしょう。見込に馬蹄形の窯印が刻されていますが、この窯印をもつ作者は、水指や花生を盛んに焼造したらしく、かなりの作例が残っています。作行きはいずれも巧味があり、作為がかなり強く、ことに箆彫りをよく駆使しています。おそらくは慶慶長頃の代表的な陶工の一人であったのではなかろうか。平らな底にくっつきが二か所残っています。