Black Oribe tea bowl with plum blossom design
高さ9.1cm 口径11.8cm 高台径6.1cm
黒織部の茶碗は、慶長元和年間(1596-1624) に数多く焼造されたらしく、伝世品も決して少なくない。 作振りにも変化があり、 その時間的経過がおのずからうかがわれる。 しかし筒形の茶碗は少なく、本巻には幸いに九碗を収録しえたが、他に数碗その所在を聞くに過ぎない。
分厚い口部に段をつけ、腰張りにした胴に彫りをつけた、 一連共通の作振りであります。 胴の二方に白地の窓をあけ、 一方に梅花文、他方には石畳文を鉄絵具で描き、他の胴側には全面に鉄絵具を薄く塗り、上から白釉を薄くかけています。そして口縁から内部全面には漆黒釉を厚くかけていますので、釉膚はかなり変化に富み、 白釉は一部高台際にいたるまでかかっています。 不整円形の高台は大振りで、畳付は幅広くがっしりとして、 高台内に 「十」の印が刻されています。
白い土はややかたく焼き締まっています。