形物香合番付東方前頭十一枚目に位し、色絵を最上とする。数はきわめて少ない。
「金花鳥」というのは、おそらく昔の茶人の命銘であろう。球形に近い合子形で、蓋甲には中心に花があり、周囲に鳳凰と牡丹が交互に対置される。身は剣先様の並列文がめぐっている。
総青で、鳳凰と牡丹が紫釉、甲の花だけが黄釉となり、総体に三彩が三段になって美しい作となっている。姿もふくよかで貫禄をみせ、あたかも貴人のごとく端然としている。
保全・木米・仁阿弥あたりがこれを模作しているのは、特にこの意匠に魅力を感じたのであろう。他に総黄のものや一彩・二彩のものもある。
【寸法】 高さ:5.2 口径:5.7 胴径:7.0 底径:3.9 重さ:855