口造りは皆口で、胴は短く、幅の狭い羽を付けた飯炊釜のような形の釜で、肩と羽とをわたして取っ手のような形の大きな鐶付を付けている。
この釜は蓋に特色があり、大きな蓋の中央にさらに小さい蓋がつくられており、ともにとりはずしができて、茶の湯と飯炊と必要に応じてとり替えて使用することができるようになっている。
「茶飯釜」の名も、茶の湯のほかに飯を炊くという意味から付けられたのであろう。
形姿は素朴で、釜肌も荒らびており、粗野な趣をもつ釜である。
このうち「自在宗徳」の文字鋳出した釜があり、「宗徳釜」と呼ばれている。
【寸法】 高さ:12.3 口径:(外)18.6、(内)9.4 左右22.6