中節順樋・折撓め。
節に擂座があって節下は腰蓑となる。
貿易商天王寺屋を連想しにくい佗びた作風である。
筒は舟形筒といおうか、中の茶杓がみられるように竹の片面を抉った変形筒である。
生漆で「芦花押)」と書付がある。
今井宗久は名を彦右衛門兼員と称し、入道して宗久と号す。
堺で貨殖貿易を業として富豪となる。
茶を紹鷗に学び奥義を得る。
天正七年織田信長に茶に招かれるほどの格式があり、のちに豊太閤に仕えて二千石を領す。
千利休・津田宗及と並び天下の三宗匠という。
【付属物】箱-桐白木、蓋裏書付覚々斎原叟筆
【寸法】茶杓長さ17.9 幅0.5 厚さ0.3 筒―長さ2.8 径2.5