波花紋風通 なみはなもんふうつう

波花紋風通
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鶴田 純久の章 お話
波花紋風通
波花紋風通

十七世紀。
名物裂。
白地に淡い萌黄で波地紋を織り出し、4.5センチ間隔に四輪の花紋を配している。
波紋は4.5センチの幅で一区画をなし、そのつなぎ目は紋様のずれのため亀甲紋が派生し、地紋が単調に陥るのを防いでいる。
花紋の便化に特徴があり、中近東方面のもので、波の構成もまことに珍しい様式を示している。
風通は二重組織の織物で、二枚の裂が合わされた重ね織のものをいう。
したがって表裏の紋様は同一であるが、色糸は地合いと紋様が反対となるのが特徴であり、縦に折るのは容易であるが、横にたたんだり巻いたりすることは困難な場合もある。
この裂は十七世紀頃、中近東方面で織製されたものであろう。

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