白極緞子 はくぎょくどんす

白極緞子
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鶴田 純久の章 お話
白極緞子
白極緞子

明代。
名物裂。
足利義政(1436~190)から寵愛を受けた鼓の名手白極大夫遺愛の名物裂で、緞子の筆頭にあげられる。
大名物「国司茄子茶入」・中興名物「富士山肩衝茶入」 などの仕覆裂として用いられているが、いずれも使用不可能な状態であり、緞子中最もいたみの激しい裂である。
鳥襷紋は下妻緞子などにもみられる手の込んだ紋様で、その一こまが分銅形をなしているので、宝尽紋の分銅を省略している。
二羽の尾長鳥を丸紋とし、互の目に配したこの裂は、明代成化頃までの縫製で、義政時代舶載されたものであろう。
遺存する裂は少しずつ地色を異にするが、紋様はほぼ同一で、宝尽紋の組み合わせからいっても明代中期と思われる。

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