後水尾院筆。宸筆色紙(手鑑 『碧玉』下)。後水尾院は後陽成院の皇子で、第百八代天皇として慶長十六年即位、寛永六年譲位して法皇となり、仙洞御所に入った。後水尾院は特に古筆を愛好し、莫大な手鑑を集大成したが、火災にあって惜しくも焼失した。この小色紙は最初から色紙であったものか、冊子本であったものか不明であるが、同種の切は幾葉か知られその字形や筆法に独特の癖がみられ、真筆の宸翰と認められ、歌は御製と思われる。手鑑 『碧玉』は古筆家に伝来し寛文頃編纂されたもので、上巻の「古筆」下巻の「新筆」(室町以後)および上巻の「補遺」からなっている。【伝来】古筆家【寸法】本紙縦13.3 横12.2