蝶番の形を釜鐶に利用したものである。
一般には蜻蛉形のものが多く、むしろ蝶形は珍しい。
下腹部と胴の間に彫銘があり、それぞれに「金盛」「徳元」と刻まれている。
尾の曲げられた部分を釜の鐶付に通して用いるもので、飾りとしての性質が強い。
羽の部分には精細な銀象嵌が施され、前羽には四つの釘穴があけられており、元来、蝶番として用いられていたものを釜鐶につくり直した感じが強い。
なお鎧の素材は鉄を原則としているが、他に砂張・素銅・南鐐なども用いられ、真鍮製のものは水屋専用とされている。
【伝来】赤星家
【寸法】長さ10.5 幅9.0