武野紹鷗を創始者とする組物には蒲を使ったものが多いが、この釜敷のように籐や竹の皮・糸・紙縒などの素材のものもある。
紹鷗・利休時代の古作と称されるものも遺存が知られ、箱書には必ず「釜置」と書かれるのが通例である。
ざんぐりとした感じではあるが、堅く編まれ、佗び道具中の佗び物といえる。
なお風炉用には透編みのものが用いられることがあり、斬新な輪違い文様に組み上げたものがある。
紙釜敷は利休の創始といわれ、現在は美濃紙が多く、紅白や染紙を二十枚から四十八枚、四つ折りにして使うが、藪内流では二つ折りのものが用いられている。
【寸法】径14.2
【所蔵】根津美術館