


赤楽 利休七種ノ内 名物 重文
付属物
内箱 桐白木 貼紙 書付 千利休筆
外箱 焼桐と桑の継合金具付 貼紙 矢倉竹翁
仕覆 利休間道 添書付 一通 添掛物 一幅: 利休文
伝来
千利休―蒲生氏郷―京都 大文字屋ー桔梗屋―矢倉家―戸田露吟(茶経集成 早船伝系)―亀田是安―藤田家―大原家―畠山家
所載
古今名物類聚 千家中興名物 内焼竈長次郎伝 茶事諸器集 富永贛著茶器名形篇 本朝陶器攷証 井伊大老著 閑夜茶話 茶器目利集 苦心録 稲垣休叟著 松風雑話 閑窓雑記 楽焼名物茶碗集 草間和楽著 茶器名物図彙 藤田家道具帳 大正名器鑑
寸法
高さ:7.8~8.1 口径:11.3cm 高:台径:4.7cm 同高さ:0.7cm
所蔵者
東京 畠山記念館
利休銘七種のうち現存する三碗(他は大黒・東陽坊)のなかで赤はこの一碗だけという、由緒のある貴重な長次郎の楽茶碗である。蒲生氏郷・細川三斎・古田織部三人に宛てた、天正十四年前後の利休の文があり、また、利休書付の「はやふね」の貼紙もあって、文中の大黒と共に利休形の代表的なものである。
利休が大阪から京へ早船で取りにやったというのでこの銘がある。長次郎の典形的な作風の窺われるもので、穏やかな姿のうちに深い趣を内包して、利休の好みをよく体現している。赤土にやや光沢ある失透ぎみの釉がかかって所々に白斑が表われ、一部胴から高:台内外にかけて蒼鼠の火替りがあって、大きな景になっている。腰に箆目がみえ、目が高:台に二つ、見込みに五つある。胴一部が割れて繕いがある。



