重文。
この古伊賀水指は、口部を開き、上体を締め、下部は袋状にふくれ、それに幾筋か雷鳴のような焼け破れがあります。
「破れ袋」の名がある所以です。
口縁下に描座を付け、きわめて強い火度のために、伊賀特有の長石粒をまじえた素土が、窯内の降灰と相まって照りのある褐色とビードロ釉を湧き出させ、内部まで美しい垂れ溜りをみせます。
濃淡自然の変化は、まことに火王のなすままの天工です。
実に古田織部の好みとはかくのごときものでした。
豪快な重量感をもちながら、姿に少しも渋滞がありません。
【伝来】 岩原家
【寸法】 高さ：20.0 口径：19.0～19.5 胴径：22.0～23.0 底径：19.7～20.5 重さ：3700
