


宗旦追書
略伝
堺の豪商天王寺屋宗達の男、通称助五郎、江月宗玩の父である。茶の湯を父に学び、千利休・今井宗久と相競った。禅は大林和尚に参じ、更幽斎天信と号した。秀吉に仕え三千石を領し、大通庵を創建し春屋宗園を開祖に迎う。家に多くの名器を蔵し、信長が堺の名器狩りの折、宗及所蔵の菓子絵を召上げた。北野大茶湯には宗及所蔵茶器が三位を占めた。天正十九年(1591)四月二十日没。
茶杓
約束どおり紹鷗型節の長杓、漆を拭く。止節の前に突出せるは異形である。
筒
古作真筒で、銀鎹二か所打つ。「更幽斎」の書入れは見事である。
背面に宗旦が口印を押し「宗及作 咄斎(花押)」と追書している。
宗及・宗旦の書入れよく調和している。
付属物
内箱 桐 白木 書付 啄斎宗左筆 同蓋裏書付随流斎宗左筆
添状 随流斎宗左筆 「宗及造茶杓筒共宗旦添書共無疑也 不宣 三月二日 不審庵 宗左(花押)」
添状 了々斎宗左筆 「宗及共筒元伯添書随流添状箱書啄斎極書付アリ 一覧候処無紛道具也御秘蔵可有之不宣 季秋念六不審庵宗左(花押)」
添状 住山宗仙宛不審庵挨拶状
所載
茶杓三百選
寸法
茶杓
長サ18.8cm
幅0.6―1.05cm
厚サ0.3cm
筒
長サ21.8cm
径2.8cm



