
重文
寸法
高さ:28.0cm 口径:13.0~13.5cm 左右:15.0cm 重さ:2650g
所蔵者 東京 畠山記念館
寄せ口というのだろうか、正面左寄りが土堤のようにくずれて、口から肩へかけて星のようなかけらがばらまかれている。その破片の三角形のやや大きいのが、真正面から、まさに断崖に落ちかかって危うく止まっている。しかも口のくずれはこれで満足していない。
右側にも上弦の月のごとく孔を打ちぬいている。
角耳に六角面取した裾のひらきが、下半七分までうずめた焦げもビードロに包まれ、光沢を放ち、ビードロは左側面の赤い胎土に交えて萌黄色を流している。
背面また美しく、もし茶会の場合、前席に後ろを見せ、後席に正面を見せるなら、そのつど客の嘆声がきかれるであろう。
からたちの出典は、橘に似た枳殻または枸杞からきている。樹葉は三出複葉で枝に刺多く、三角の破片をからたちの刺と見立てての銘である。
前田家の伝来。



