高さ23.4cm 口径4.3cm 胴径14.6cm 底径10.2cm
第180 図と共通した文様をもつものであるが、これは胴の沢mを白抜きであらわし、地文にはやや大振りの梅鉢文と松葉風の斜線文をあらわしている。この種の初期伊万里のなかでも最も佳麗な作品の一つである。
この種のものが、輸出磁器としては前半に属するものであり、またこれらのほかにすでに『柿右衛門』の巻で紹介したドラメアー・コレクションやヴィクトリア・アルバート博物館蔵の古九谷風の作品が初期の輸出用の色絵のなかに含まれていると考えられる。いずれが柿右衛門であり伊万里であるか判然としないが、むしろすべてを初期伊万里赤絵と解するのが最も客観的な見解であろう。