綾杉・文杉・文椙 あやすぎ

marusankakusikaku
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鶴田 純久の章 お話

傾斜の異なる平行斜線文二つを合わせた形状を、杉の葉に見立てて綾杉または杉綾といいます。
綾杉文ともいいます。
彫三島・釘彫三島などにこの文様があります。
英語・ドイツ語では、同じ文様を魚骨に見立ててherring-bone(ヘリンボン、にしんの骨の意)、Fischgratenmuster(魚骨模様)と呼んでいます。
わが国の考古学で、傾斜の異なる縄文二帯を羽毛の形状にたとえて羽状縄文と呼んでいるのも同種の表現であります。
あやせ楽焼の梅花絵茶碗にある押銘。
茶碗の外側に「堀切茶寮にて梧堂」の書銘があります。
おそらくは東京都葛飾区の堀切菖蒲園内にあった楽焼らしく、古くても明治末頃の作でしょうか。
(『陶磁』七ノ四)

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