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鶴田 純久の章 お話
黒茶碗 銘蝸牛 024

高さ8.4cm 口径11.0cm 高台径6.0cm
 「俊寛」とよく似た作行きの茶碗です。口縁に緩やかな高低をつけ、口部を内に抱え込ませ、胴を僅かに引き締めた半筒形です。
高台は低くやや大振りで、高台内に低い巴状の兜巾をつけ、見込には浅く茶溜りを作っています。また内側に段をめぐらし、腰から高台際にかけて四方に浅く箆目を回しているのも「俊寛」と似た作行きです。総体にかかった黒釉は褐色に焼き上がったきめの粗いかせ膚で、「俊寛」のように滑らかに溶けていない。同じ釉でも窯から引き出す時の違いによってこのように変化するのでしょう。内箱蓋裏に「蝸牛 長次郎茶碗 左(花押)」と覚々斎原叟が書き付けています。

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