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鶴田 純久の章 お話
黒茶碗  026

さ8.0cm 口径10.8cm 高台径5.5cm
 これも「俊寛」と似た薄手の作行きの茶碗ですが、口部にはほとんど抱え込みがなく、胴は僅かに引き締まり、腰はきっかりと曲がって、見込には大きな茶溜りがつけられています。高台脇には箆目が回り、高台は低く、畳付は片薄状にまるく削られ、高台内には兜巾をつけ、畳付の三方に目跡が残っています。全体にかかった釉はかなりよく溶けて、長次郎の黒茶碗のなかでは特に黒く滑らかです。
内箱蓋裏には江岑宗左が「利休黒茶碗 長次郎造 左(花押)」と書付けていますが、江岑の書付のある長次郎の茶碗は極めて少ない。また蓋表には「長次郎焼 黒茶碗 江岑極書付アリ 左(花押)」と了々斎が書き付けています。

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