高さ8.3cm 口径9.7cm 高台径5.1cm湯木美術館 この茶碗にも高台内中央に楽字の印が捺されています。柚が厚くかかっていますので、前図同様の印か、あるいは常慶印といわれている印かは判然としません。作行きは図43の「次郎坊」と似て口部を内に僅かに抱え込ませた穏和な作行きで、いわゆる利休形です。内側に段をつけ、見込には小振りの茶溜りをつけ、全体にかかった釉は、褐色をおびているがよく溶けて少し光沢があります。内箱蓋裏には「二代目黒茶碗 銘志は栗 左(花押)」と如心斎が箱書付しています。これも高台内に捺されている印を常慶印と判断したため、二代目と書き付けたのでしょう。