フランスのイエズス会宣教師ダントルコ一ル(lePdred’EntrecoUes)が、1712年(康煕五一)並びに1722年(康煕六一)の両度にわたって布教先の景徳鎮からその磁器製作の状況を故国に報告した長篇の書翰であります。
原本は十八世紀にパリで出版された『宗話及び異聞書翰集』三十四冊の第十二・第十六集に収載されたもので、こういった題名は付いていないようです。
科学的な知識を持った外国人が親しく見聞した著録であるようで、あたかも清朝陶磁が景徳鎮において全盛を迎えようとしていた時期にも当たり、当時の中国陶磁史に関する第一等の直接資料として極めて価値高いものであります。
和訳本としては小林太市郎による同名本が1943年(昭和一八)に刊行されています。
支那陶瓷見聞録 しなとうじけんぶんろく
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