イスタリフ いすたりふ Istarif

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鶴田 純久の章 お話

アフガユスタンの首都カブールの北西にある陶器の産地。
人口約三百程の小村。
付近の山から原料土を採取し、クルミまたはポプラでつくった蹴轆轤で成形します。
次いで白い化粧土で全体を覆う。
釉は青と緑の低火度釉で、青の発色には銅を川い、緑は酸化鉛によります。
さらに花文・幾何学文が刻されます。
窯は内部を円筒形とし周囲は立方体状に天日干し煉瓦で築いたもので、各辺は二・五~三メートル程あり、上部は焼成室、下部は火室となっています。
燃料には薪を用い、一回の焼成に約五百から一千個の器物が焼かれます。
温度は800~850度で約九時間で焼成が終わる。
陶業は5~10月の閥の季節産業で、鉢・皿・土偶などの雑器が中心であるが一般に脆いものであります。
1964年当時には二十五基の窯があり、熟練工1日当たりの成形量は直径二十五センチほどの鉢で八十個でありました。
西アジアに残存する古風な陶器産地としては代表的な地であります。
(吉田光邦『西アジアの技術』)

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