陶芸のお話

古陶磁先生

黒唐津叩き矢筈口水指(松浦系唐津 市若窯産)

◇叩き技法の分析下図の陶片は水指の矢筈口の鐔の所ですがこれを見定めすると分かったことですが叩き締めて形を形成するときには一切水を使ってない事と箆だけで押し締めて形作るようです。訳は矢筈口の押し曲げた内...
古陶磁先生

絵唐津松紋四方向付(松浦系唐津 焼山窯産)

◇絵付けの分析絵柄の描き方について、松の花と木賊は穂先より筆を入れ付け根や根元まで力強く描いている。だが草の紋様は根元より筆を入れ葉先へ描き葉先で抜かさず少し止めている。これは毛筆の描き方と同じで直線...
独り言

高台脇

メディア

板起こし茶入造り 鶴田 純久 唐津焼伝統技法

◇板起し(いたおこし)とは古唐津特有の技法で、叩き造り技法の行程で、轆轤の天板上にまるい盤状の土板をのせて底板とし、この上に粘土の紐を輪にして、いくつもいくつも積み上げてゆきます。適当な高さに達したら...
陶芸のお話

織部とは其の五 種類

織都黒 作品のほとんどは茶碗であり、黒釉を施した無文の茶碗で,瀬戸黒に歪みを加え、沓形に作られたものが多いです。なかには黒釉の上に長石釉をかけたものもあります。稀に茶入を見ます。黒織都 織部黒に文様を...
陶芸のお話

織部とは其の四 作風

古田織部が美濃の窯場と関係を持つようになったのは天正年間後期ではなかったかと推測されます。したがってその頃に焼造されていた志野、黄瀬戸、瀬戸黒にも彼はその好みを示し得たはずであります。彼の好みを象徴す...
陶芸のお話

織部とは其の参 様式

慶長から元和にかけて美濃の窯で焼造された織部焼は莫大なものであり、種類もここに図示したように織部黒、黒織部、織部など、花入、茶人、香合、茶碗、燭台、大小の皿、鉢、向付など、器形、文様といこまことに多種...
陶芸のお話

織部とは其の弐 生い立ち

桃山時代後期から江戸初期にかけて、古田織部好みの茶陶は、美濃だけではなく、伊賀や信楽、備前、唐津などでも焼かれていましたのに、美濃のやきもののみが織部と呼ばれるようになった由来も判然としませんが、おそ...
陶芸のお話

織部とは其の壱 名称

織部焼という呼称は、今さら言うまでもなく、千利休の歿後天下第一の茶人として活躍した古田織部重然に因んでのもので、古田織部の好みという言い伝えによっています。しかし、織部焼と古田織部とが実際にどのような...
陶芸のお話

備前とは其の六 焼成

備前には、土膚に直接焔や灰がかぶって焼き締まったものと、大きな甕の中に作品を入れ子にして上に蓋をのせ、あたかも匣入れしたのと同じ状態で焼いたものとがあり、前者を古備前または窯変ものと称し、後者は入れ子...
陶芸のお話

備前とは其の五 製法

鎌倉時代から室町中期にかけては山土を使用し、大窯時代に入ってからは主として田土を用いましたので、土味はかなり異なっています。田土を用いた桃山時代の茶陶のなかでも、やや粗い土から極めて細かい土にいたるま...
陶芸のお話

備前とは其の四 地理

ところで備前焼は、鎌倉時代には熊山の山頂付近で、室町時代に入ると伊部付近の山ふところに穴窯を築いて焼成していましたが、室町後期から共同の大窯を築いて量産体制に入っていきました。すなわち西大窯(伊部の西...