中国明末清初、景徳鎮の民窯でわが国向けの雑品として盛んにつくられ輸出された赤絵磁器であります。
この手のものはわが国には多数残存しますが、その原産地である中国では今日ほとんど見られないようです。
製品の大多数は大大・皿であります。
民窯の雑器なので官窯のものと趣を異にし、模様は自由で雅趣がありまさに日本人向きといえます。
厚手のものと薄手のものとがあって、時代別などは非常に難しいがおそらく康煕年間(1662-1722)の製作であるでしょう。
大大は口紅を用い、五彩で山水・大物・花鳥などを描き、浅黄釉を用いたものもあります。
白地の浮文のあるものは骨董的に最も高価であります。
(『茶わん』二〇)