缶・保止支 ほとぎ

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鶴田 純久の章 お話

『日本書紀』に缶とあるようで、『新撰字鏡』に甑・甑・甕・堰をほとぎと読んでいます。
『和名抄』には盆を「ひらか俗にいふほとぎ」と注しています。
『爾雅』には「盆謂之缶」とみえます。
『延喜式』には酒缶・平缶・蓋水盆・叩充などがとあるようで、上古に水・酒・食物などを入れるのに用いた腹が太く口の小さい瓦器であります。
ただし缶はひらか・みか・さらけ・もたひ・ゆかなどと用例が混交してほとんど識別し難いものがあるようで、・またやきものの容器の汎称であるという観もします。
中国・朝鮮では楽器として拍子をとるのにも用いました。
『倭訓栞』は「火坏(ほつき)の義ならんか」といいます。
宮崎道三郎の説に、朝鮮語パタンギの肌りで、中国でも朝鮮語を音訳して服席と記し、匈奴の語に服匿というのも共通の語であるとしています。

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