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鶴田 純久の章 お話
須恵器 四耳壺
須恵器 四耳壺

Sue ware: jar with four handles. Excavated from a tumulus at Tōshi-machi, Toba-shi, Mie. 7th century. Height 20.7cm.
三重県鳥羽市答志町古墳出土
7世紀
総高20.7cm 口径9.2 cm 胴径20.8cm
愛知県陶磁資料館
 大形短頸壺の肩に四個の環状耳を有する、いわゆる四耳壺は古代における火葬蔵骨壺としてしばしば用いられました。本器は古墳出土と伝えられ、火葬蔵骨器として用いられたものであったかどうかはっきりしません。胴形が球形に近く、高台をもたないその形からみて7世紀後半代にその製作年代を求めることができましょう。蓋も口頭内部へのはめこみになったかえりのある点や二段になった紐の形からも、後の被せ蓋になった正倉院薬壺形のものと違ってより古い段階のものであることを示しています。粘土紐巻き上げ、叩き締め成形で、肩と胴に二重沈線を施しています。環状耳も断面円形の細い粘土紐を貼りつけた、この時期特有のものです。素地は白色に近く、よく焼き締まっていて、蓋の上面および胸部上半に淡い褐緑色の自然釉がかかっています。

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