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鶴田 純久の章 お話
常滑 大甕
常滑 大甕

Tokoname ware :large jar. Excavated from old ceramic kiln site at Itayama-cho, Handa-shi, Aichi. 14th century. Height 57.3cm.
Institute of Ceramic Art.Tokoname Municipal
愛知県半田市板山町古窯跡出土
14世紀
高さ57.3cm 口径34.5cm 胴径56.8cm 底径18.7cm
常滑市立陶芸研究所
 あらゆる器形を通じて最も常滑らしい常滑といえば誰しもこの大甕を挙げるに吝かでないでしょう。それほどこの大甕は中世の常滑を代表する風格をもっています。大きく折り返された幅広い縁帯、強く張った肩から鋭く屈折して小さい底部に向かって落ちる直線に近い胴のカーブは鎌倉後期の特色です。常滑の大甕は鎌倉時代に入るとしだいに大形化し、鎌倉後期から南北朝にかけて最大の大きさに達します。高さ80cmを超えるものも少なくない。数多い古窯の展開とともに古常滑の最盛期でもあります。茶褐色の器肌に流れ落ちる濃緑色の灰釉はあたかもそうした隆盛期の力強さの表現ででもありましょうか。

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