Suzu ware: jar. 13th century. Height 35.0cm.
13世紀
高さ35.0cm 口径24.7cm 胴径35.8cm 底径12.5cm
外反する短い口頸部の尖端を肥厚させ、外傾する口縁端面の中央が凹んで、一種の二重口のようなつくりになっています。粘土紐を左回りに一定の高さまでつくり、その上へ接ぎ足して成形したもので、器面に施された条線状押印を箟で削り、面を平滑にしていることが、頸部に残された叩文によって知られます。肩に箟描きで」の窯印があります。焼き上がりはよく肩に自然釉がかかっていますが、胴部は漆黒色を呈します。甕の上作の一つです。
從士為向後所奉之也と記されています。
口頸部と肩の接合部が際立っていないことや胴が縦長にのびていること、粗雑な突帯の貼り付けなどから、その製作年代と墨書紀年とは矛盾するものではありません。非常に鉄分の多い土を用いて高火度で焼き締められており、肩に黄緑色のごまふり自然降灰がみられます。
いろいろな問題を呈示する貴重な遺品です。