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鶴田 純久の章 お話
飯坂 甕
飯坂 甕

lizaka ware: jar. Excavated from Tennōji Sutra Mound at lizaka-machi, Fukushima-shi. 12th century. Height 28.0cm. Tennō.ji.
福島市飯坂町天王寺経塚出土
12世紀
高さ28.0cm 径16.5cm 胴径31.8~32.4cm 底径11.5cm
天王寺
 東北地方の経塚から珠洲に似て非なる黒い壺がいままでにいくつも発見されています。これもその一つで、明治年間、天王寺裏山経塚から承安元年(1171) 銘陶製経筒とともに発見されたものです。これがすぐ近くの飯坂高校裏山の毘沙門平古窯で焼かれたものらしいと判ったのはつい数年前のことです。比較的こまかい鉄分の多い陶土を用いた還元焰焼成でよく焼き締まっており、素地は灰色、器面は黒褐色を呈し、肩から胴の一部にかけて自然釉が被り かせて白色をしています。厚手の粗雑なつくりで、器面は刷毛目調整を行なっています。短く外反する口頸部や強い肩の張りをもったこの壺は12世紀後半代の飯坂窯の基準資料として貴重です。

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