Ryōnyü: tea bowl, known as “Ume”, Red Raku
Mouth diameter 9.7cm
高さ9.9cm 口径9.7cm 高台径4.4cm
この茶碗は寛政元年(1789) に長次郎の二百年忌を記念し、表千家の啄斎宗左の指示によって造られた赤茶碗二百の内の一つであり、了入にとっても記念すべき作陶であったといえます。
やや深く、腰にまるみをつけ、内縁を内に抱えさせた温雅な趣の作振りで、高台も引き締まり、高台内に渦兜巾が立てられています。
渋い景色の釉調には了入らしい特徴があらわれていますが、茶碗としては剃髪して了入と称するようになってからのものと違ってつつま「しやかです。内箱の蓋表に 「赤茶碗 二百之内 楽吉左衛門」、蓋裏に啄斎が 「梅 (花押)」 と書き付け、外箱には「了入赤二百ノ内 啄斎箱書 銘梅 左 (花押)」 と即中斎宗左が極め書しています。